信州環境カレッジ上松町ホタル講習会とその後の状況
井口豊(生物科学研究所,長野県岡谷市)
最終更新:2026 年 2 月 8 日
信州環境カレッジ上松町ホタル講習会は, 2019 年 10 月 27 日に,木曽郡 上松町 下河原公園において開催され,筆者(井口豊)が講師を務めた(図 1)。
当初,講師は長野ホタルの会会長(当時)であった三石暉弥先生が務める予定であったが都合が悪く,代わって私が務めることになった。
開催場所は,屋内ではなく,現地の野外であり,質疑応答も活発に行われ,まさに「環境カレッジ」にふさわしい内容となった。
この下河原のゲンジボタルの明滅周期を調べたところ, 3 秒型であり(図 2, グラフの二つの S),辰野町の山間部,鴻の田に残る長野県の在来種ゲンジボタルに近い値を示した。
この上松町ホタル講習会を契機にして,公園入口の案内板が立てられた(図 3)。
その後,毎年,ホタル観賞会が開催されている。図 4 は, 2023 年 7 月 2 日のホタル観賞会が始まる直前, 19 時ころの公園入口付近の様子である。写真左奥の暗い場所が,ホタル生息地となっている。
三石(1990)によれば,上松町では,小川地区の小川と木曽川合流付近でゲンジボタルが確認されている。しかしながら, 2000 年以降の私の調査では,小川地区では,ゲンジボタル生息を確認できていない。そこの環境が激変したわけではないようだが,このようにゲンジボタルが見られなくなってしまう例があることにも留意したい。
昨年(2025 年)6 月 21日(土)朝 7:30 - 8:00 に NHK 長野「どどどど!信州イチオシ」の番組内で私がコメントしたが,長野県内では,木曽地域のホタル生息地が少ない,あるいは,まだまだ調査が進んでいない感がある。
関連サイト
参考文献
井口豊 (2009) 移入ホタルの何が問題か? 辰野町松尾峡を例として: 第5回信州ホタル保護連絡会(岡谷市). DOI: 10.13140/RG.2.2.19664.07689
井口豊 (2019) 上松町のゲンジボタルは,いつ,どこから来たのか? DOI: 10.5281/zenodo.12673464
井口豊 (2020) 長野県上松町のゲンジボタル.全国ホタル研究会誌 53: 23-24.
三石暉弥 (1990) ゲンジボタル.信濃毎日新聞社.